じっと見てる

老人ホームの廊下で ゆっくり移動して

自分の部屋に戻りかけたジージ。

「こんにちは」と声をかけたのが

いけなかった。

小夏はシーツ交換をする部屋に入ったけど、

長話が続き・・・果てしない。

昼食時間が終わりかけていたから

今のうちにやらねば

戻って来て寝る人がいる。

焦っているのに 何十年も前の話が長い。

悪いけど うんざりする。

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最初は会話になっていたけど、

段々声も聞き取れなくなり

返事もおろそかになってきた。



あー、もう黙っていてほしいなー。

次は誰のシーツ交換をするんだっけ？

そんな事を考えながら焦っていました。

話し相手になりたいのは山々ですが、

こちらもジージ達が食事している間に

やらなければならないベッドがあるからね。

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話がやんだと思ったら、

車椅子に乗って 廊下で こちらを向いて

ジーッと見てるの。



ただ ジーッと。

気配を感じながら 怖くてそちらを見られず。


しばらく見られていましたが、

行ってしまいました。




このジージの話は 親の自慢話。

自分の自慢話はないみたい。



老人ホームには そういう人が多いです。



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タグ：老人ホーム 昔の話 自慢する